旅館の和菓子
2025年09月22日
日本国内を旅行して伝統的な旅館に宿泊すると、ウェルカムサービスとしてお茶や茶菓子が振舞われます。茶菓子は地元の食材等を使用していることが多く、その土地を知ることにもなります。温泉旅館などでは到着後すぐに温浴したくなりますが、その際に血糖値が下がっていることで立ち眩みなどによる事故が起きるのを防ぐために茶菓子が用意されたのが始まりとされています。茶菓子自体は高価なものではありませんが、その目的を知れば日本特有の配慮が織り込まれていることに気付きます。日本列島全体には数多の温泉がありますから、長い歴史の中で編み出された知恵とも言えるでしょう。
さて旅館に関して訪日客が驚くことの1つに、夕食の時間帯に綺麗に布団が敷かれていて、さらに部屋に置いておいた荷物等の紛失がないことが挙げられているそうです。編集人も海外赴任していた時期がありますが、やはり財布・パスポート・電子機器等は必ず貴重品用の金庫に入れておりました。しかし残念なことに一部の訪日観光客の中には部屋内の備品を持ち帰ったり、破壊したりする方もいるようで、日本でも新たな観光政策の1つとしてこのようなマナー啓発をもっと進めていく必要があると感じています。そして観光立国としてこれから新たに検討される施策は、観光庁HPによれば観光立国推進基本法に基づくとされています。
この法律(観光立国推進基本法)の主旨は、①観光を21世紀における日本の重要な政策の柱とする、②地域社会の持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行促進、③観光立国推進基本計画の制定、④観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成・国際観光の振興、・観光旅行の促進などが謳われています。最近の訪日客は日本人にも殆ど知られていないような場所を訪れることも多いそうで、ホテルではなく長年続いている日本旅館に宿泊する方もいます。いずれにしても日本特有の文化をこれからも承継していくため、目先より30年後先の施策を国家として実践して頂きたいと感じます。