難病との付き合い方
2025年09月05日
難病とは症例数自体が極端に少なく治療法が確立されていない疾患を指し、厚生労働省では「難病の患者に対する医療等に関する法律」(平成26年法律第50号)に基づいて348疾患について指定難病として長期療養等の医療費支援などを実施する制度を設けています。最近では新薬開発により新たな治療法が確立されてきた難病も増えていますが、一方で採算ベースに乗らない患者数であると製薬会社が積極的に開発・治験等を行わなかったりすることも現実に起きているようです。また指定難病の患者数基準は国内人口の0.18%(20万人)ですが、要件見直しの議論も進んでいます。
編集人も実際に難病に罹患していますが、指定難病ではないものの日本全国に数十人程度しか患者がいません。主治医が様々な治療を試してくれますが未だ決定的な治療法は見つかっておらず、日々悪化していく症状に対処するのがやっとと言う状態が10年以上続いています。難病自体は世の中で知られている疾患名より遥かに多いとされていますが、問題は難病であるのか云々よりも初診から確定診断まで長い時間(平均で3.5年程度と言われています)がかかることだと考えています。その中には専門医でも知見が無い疾患も多く、誤診を受けるケースは稀ではないとある製薬会社は発表しているほどです。
もう1つの課題は難病患者は体調を崩しやすいことで、外見だけで判断することは難しく仕事を辞めざるを得ない患者さんも少なくありません。そして指定難病であっても身体障害者手帳等を有していなければ障害者法定雇用率には算入されないため、企業内であらぬ誤解を受けることもある点は留意するべきだと思われます。もちろん患者個々人によって置かれる社会的環境が異なることを承知の上での話としては、患者が社会から必要とされていることを感じられるような社会構造になっていることが理想でしょう。編集人も難病に罹患して初めて知ったことが多くあり、これからも付き合っていきたいと思います。