オフィス鴻

飲食チェーン店の課題

2025年09月23日

ある飲食チェーンが店舗責任者の処遇を年収1,000万円まで引き上げると報道されていました。有名な大企業であれば40歳代で管理職でなくとも年収が1,000万円を超えることは珍しくありませんが、飲食業界では稀だと言われてきました。銀座にある高級老舗寿司店などでは職人の方に相応の報酬を支払うケースがあることは知っていましたが、チェーン店ではどちらかと言えば本社のエリアマネージャークラスにならなければ低賃金・長時間労働が当たり前とされてきたように思います。そのため他業種に比べて離職率が高く、店長クラスでもサービス残業が常態化していたとも言われています。

しかしその一方で有名チェーン店が突然街中から消えていくことも目にします。一昔前ならばすかいらーくがガストに業態変更したり、牛丼チェーンではワンオペが従業員の死亡やSNSでの悪質な行為拡散などと言った副作用を生んでいたのも事実でしょう。閉店ラッシュを余儀なくされた良く知られた企業としては、いきなりステーキを運営していたペッパーフードサービス社やラーメンチェーンの幸楽苑、天下一品など枚挙に暇はありません。ただ全てとは申し上げられませんが、最近の傾向としてフランチャイズビジネスをしている企業にこのような傾向が多いように感じています。

編集人はここ数年あまり街中で食事をすることは無くなっていますが、たまに外出すると飲食業の入れ替わりを感じることが増えてきました。以前のチェーン店は比較的味が良くも悪くも安定していたのですが、物価高等の影響を受けたのか値段と価値が見合わないような店が増えてきたのも事実でしょう。これまでのデフレ経済下では値下げ競争が当たり前のように繰り返されてきたことを鑑みれば、従業員に適切な処遇を提供することの必要性は感じています。ただし単純に横へ倣え方式では消費者の支持は長く続きませんから、次世代への継続的戦略構築が非常に重要になってきていると考えています。