インド旅客機事故
2025年09月15日
今年6月12日、インド西部のグラジャード州でエア・インディア機が着陸直後に何らかの推力不足が原因と思われる墜落事故を起こしました。実際に空港監視カメラの映像ではものの十数秒後には機体が徐々に降下して建物に衝突しており、パイロットは「メーデー(遭難信号)」を発していたものの昼食をとっていた医学生を巻き込み270人以上が無くなると言う大事故となりました。幸いなことに乗客1名は生存していたと報道されていますが、同機には親族と一緒にイギリスへと向かう途中であったとあり、その悲しみは如何ばかりであったかと思うと胸が締め付けられる思いです。
またある報道によれば同便に搭乗予定だった方が交通渋滞に巻き込まれ、結果的に災難を逃れたことも報道されています。日本でも日本航空123便が隔壁破壊によって御巣鷹山に墜落し500名以上が亡くなられた悲惨な航空機事故があった際、同じように大阪伊丹空港で搭乗便を変更したことで助かったということが報道されていたのを思い出します。もう1つはパイロットが少なくとも推力低下を認識していたことが交信記録で明らかになっており、何らかの理由でエンジンが停止してしまった可能性があるようです。いくら優秀なパイロットでも離陸直後に推進力を失えばなすすべがなかったと考えられます。
なお事故機であるボーイング787型機はこれまで大きな事故を起こしていませんが、同社製737型機は世界各地で墜落事故が発生しています。また今後事故原因が究明されていくにしても、多くの犠牲者を出してしまったことは紛れもない事実です。最近はアメリカ製造業の凋落が指摘されることが増えていますが、日系企業も航空機製造(主に機体材料など)に関連しています。推進力の元となるエンジンは日本製ではないものの、航空機製造の問題だけとは限りません。それは通常のメンテナンス(航空整備)を怠っていれば、どんなに優秀な機体でも事故を起こす可能性を免れないのだと考えています。