アメリカの国内事情
2025年09月29日
アメリカのロサンジェルスで違法移民摘発を巡る抗議デモを取材していたオーストラリアのTV局記者が、武装警官の発砲したゴム弾で負傷する事件が起こりました。この問題ではとランプ大統領が州知事と事前の話し合いをせずに州兵・海兵隊を派遣したとして、アメリカ国内でも大きな反響を呼びました。国内製造業の復活や違法移民摘発を公約して大統領選挙に勝利したトランプ大統領ですが、アメリカ国内での世論は二分化しているとも言われ、徐々に対中国から対国内、対世界へと飛び火しているようにも感じられます。またカナダでのG7会議も途中で帰国しましたね。
その背景はイスラエル攻撃に対するイランの報復について仲介するためだとも言われていました。実際にロシアのウクライナ侵攻に対してもアメリカが仲介役として十分に機能しなかったことが、現在に至るまで紛争終結が見通せない一因とされています。もちろん日本はアメリカと強い同盟関係にあり「日米豪印戦略対話(QUAD)」でも協調しています。しかし、関税問題ではカナダ・EU寄りの方針も垣間見えていますし、イスラエル問題ではこれまで比較的アラブ諸国と有効な関係を築いてきたことについての懸念も生じています。言い換えれば世界の秩序が変わり始めているとも考えられるのです。
そして最大の外交問題である中国との世界覇権争いも、トランプ大統領の勝手気まま(?)のように見える施策に対して各国がどのように対応していくのかで、今後大きく情勢が変化することもあり得るでしょう。一方の中国も共産党内での権力闘争が起き始めていると言われていますから、2つの大国の行動次第では世界に新たな秩序が生まれる可能性があるとも指摘されています。特に外国人留学生・重要産業勤務者の強制送還が行われたことは、長期的にはアメリカ経済の立て直しとなるのか、それとも国力低下に繋がらないのか様々な意見が交錯しており、他国のことと楽観視することは危険だと考えます。