タリーズの出店戦略
2025年09月25日
編集人は治療のため大学病院等に通院・入院することが多いのですが、不思議とタリーズの店舗を病院内でよく見かけます。例えば東京大学医学部付属病院・聖マリアンナ医科大学病院・国立精神神経センター病院など、数え上げればキリがありません。元々タリーズのコーヒーが好きなので最初は錯覚かと思っていましたが、調べていくと企業戦略として病院内への出店を積極的に行っていたことが判りました。そのコンセプトは「患者や見舞客、職員がホーと一息つける憩いの場所を提供したい」とのことで、編集人は患者の立場として非常に好感を持て有難く感じています。
入院して感じることの中には、検査・治療の合間に自分の時間が確保できる場所が少なく、また病状によっては病室・病床から離れることが出来ないことが多くあることが挙げられます。例えば見舞客とコーヒーを飲みながら世間話をするだけでも気分転換できますし、仮にロビー・店舗に行けなくても好きな缶コーヒーを飲めれば気分が明るくなるのです。編集人は殆ど動き回る許可が下りないので、病室内で他の患者さんの迷惑にならないようにコーヒーを楽しんでいます。特に甘い香りは飲食制限のある患者さんにとって辛いだろうと考え、原則医師の許可を得て無糖コーヒーを選択しています。
更にこの出店戦略をもう少し深堀していくと、価格設定自体は決して安いものではありません。軽食と一緒に頼むと概ね1,000円程度ですから、自動販売機で飲料を購入するのに比べて割高感は否めないでしょう。しかしそこにあるホスピタリティという価値は価格以上だと思われ、特に接客は他チェーン店とは一線を画すと考えています。また病院経営が厳しさを増す中でテナント料収入は大切な収入源となりますから、消費者・企業・病院ともに三方良しの関係が成り立つと思われます。ちなみに同社が出店する病院数は100店舗ほどあるそうですから、経営戦略的に正解だったのでしょうね。