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神戸空港の国際化

2025年10月06日

関西エリアには大阪国際空港(伊丹)・関西国際空港、そして神戸空港が主要空港として存在します。現在の神戸空港には新たに国際線ターミナルが併設され、概ね週40便がチャーター運用されていて平均搭乗率も80%程度と非常に好調な滑り出しと言えそうです。しかしこれまで神戸空港に国際線発着が原則認められてこなかった背景には、空港建設反対派や反対議員の影響があったとされ、その結果大阪府泉佐野市に関西国際空港が建設されたとも言われています。その後神戸市が独自に神戸空港建設に政策転換したものの、大阪国際空港(伊丹)・関西国際空港の補完的役割だったためだと考えられます。

神戸空港以外の運営が厳しさを増している地方空港と大きく異なる点は、その背後に多大な利用者需要を抱えている点でしょう。総務省の人口統計では関西地方の人口は約2,000万人であり、ビジネスや観光資源も豊富です。また神戸国際空港を運営する関西エアポート神戸株式会社は神戸空港の運営を2018年に神戸市から引継いだ関西エアポート株式会社の100%出資会社ですから、大阪国際空港・関西国際空港と協働することは当然でしょう。つまり現時点では過去の残差(政策)は基本的に払拭されていて、観光立国を目指す国の施策とも合致するものとされています。

さて地方空港を見回してみると、国土交通省の資料(地域航空の現状と課題について)によれば、「LCC参入による需要増等によりコロナ禍前の水準(約400万人)に戻っているものの、地方路線は依然として低い水準にある」と記載されています。そして「中長期的には総人口が減少し特に生産年齢人口が減少することもあり、地域の航空需要全体が縮小する懸念がある」とも指摘されています。因みに地方路線を担っている日本エアコミューター社・北海道エアシステム社・天草エアライン社・オリエンタルエアブリッジ社などがあり、今後その経営方針によって復活する可能性があると考えています。