オフィス鴻

ミシュランガイドと飲食店

2025年11月08日

世界最高峰のレストラン評価システムとされるミシュランガイドへの掲載は飲食店事業者にとって目標・憧れであり、世界には100件程度の☆☆☆(3つ星)レストランが存在するとされています。ミシュランの仕組み自体は正確なことは判りませんが、地域別に一定の金額を支払うとその地域での調査を覆面調査員が行い格付けしてガイドブックを発行すると言われています。特にフランスではこの評価を得るために何十年も研鑚する料理人もいるとされ、この星次第で飲食店経営が大きく変わるようです。日本も各地に掲載店がありますが、編集人はほとんど気にしたことはありません。

もしミシュランガイドに掲載されると常連のお客様がいきなり予約が取れなくなったりしますので、編集人がお世話になっている日本料理店でも掲載をお断りしています。もともとはフランスのタイヤメーカーであるミシュラン社が自動車旅行のための無料ガイドブックを発行したのが発祥とされ、1920年代に覆面調査員によるレストラン評価システムが始められたそうです。その中でも☆☆☆飲食店はその料理を食するためだけに旅行する価値があるとの位置付けです。なお公表されている評価基準は➀素材➁料理技術③独創性➃価格⑤一貫性と言われていますが、内容は機密とされています。

そのような仕組みですが日本の料理店の中には、常連客はお店の財産として一見客等によって店の雰囲気などが荒れてしまうことを避けて掲載をお断りしている飲食店も多いようです。これは海外との価値観の差によるものと考えられますが、いかにも日本人らしい対応だと感じます。つまり一時的な繁盛よりも店の品格や長く伝統を重んじたプロの職人魂が表れた結果でしょう。ここで重要なのは日本料理であれば日本人が、フランス料理であればフランス人が評価する方が正確性が高まると言う現実です。伝統が失われてしまえば、いずれ衰退することを見据えた料理人の意気込みは素晴らしいですね。