カムチャッカ半島地震
2025年11月16日
今年7月30日午前、ロシアのカムチャツカ半島付近で起きた巨大地震の影響で、北海道から和歌山県にかけての太平洋沿岸で津波警報・注意報が長時間にわたって発令されました。今回の地震は2011年の東日本大震災とほぼ同じく海側の太平洋プレートが沈み込んでいる場所で起きたとみられ、日本各地でも社会インフラである交通・物流などが一時的に停滞したことで市民生活にも影響しました。そして震源地近くでは津波が4m以上に達して建物等が流されたとの報道・映像があり、日本沿海でも1mを超える津波が到来して漁場に出られないことから市場がマヒしたとも伝えられています。
東日本大震災は3月のまだ寒さ厳しい東北地方を中心に大きな被害がでましたが、今回は真夏の猛暑下であったことから避難したとしても熱中症リスクが高かったと報道されています。まだ幸いだったのは電力供給に支障がなかったことで、東日本大震災では福島原発が被災して編集人の居宅でも計画停電が実施されたことを思い出しました。当時は首都圏でも電力供給施設範囲毎に計画停電が発表・実施され、冷蔵庫の食品も全て事前に消費しておきました。実際に長時間停電を経験してみて感じたのは、いかに生活の中に電気を使う場面が多く、電気なしには成り立たないと言う現実でした。
さて福島原発事故では多くの燃料デブリ(燃料が過熱し原子炉内の構造物と燃料が溶け、冷えて固まったもの)が出来たとされています。そして燃料デブリの取り出しは世界でも前例のない困難な取組みであり、日本原子力研究開発機構の発表によれば試験的に取り出したデブリの解析作業が進められています。その中で人力で砕くほどデブリが脆いことが確認されたことで、2037年以降にデブリを小さく削りながら回収する方法が検討されているそうです。これまで当たり前に享受してきた原子力電力も、事故が起きてしまえば人間の英知を結集しても終息には途方もない年月が必要なのです。



