BNPL(後払)
2025年11月19日
BNPLとはBuy Now pay Laterの略で、今購買して後日支払うという決済サービスを指しています。クレジットカードのリボルディング払方式に似ていますが、後払いでも利息は不要で分割払いも可能なサービスであるとされています。分割払い等は一時的な購買が増えた時や高額品購入等に利用されるもので、最近の傾向として日用品・食品等の購買に利用されていることが問題視され始めています。つまり嗜好品等の購買目的でないと言うことは、物価上昇等で家計のやりくりが厳しくなっていることの表れでしょう。将来の収入をアテにして、現在の生活を賄っていることになります。
例えばアメリカでは住居費(家賃)や奨学金(教育ローン)の支払いがある上に、更に物価上昇が追い打ちをかけている形で比較的若い世代に生活困窮感が見られているとされています。また東アジア国家の中にはGDPを上回る家計債務が積み上がっている国があり、クレジットカード危機と呼ばれる事態を回避するために事実上の徳政令を発布していることも日本経済に全く影響を与えないとは言いきれないでしょう。その結果、金融機関やクレジットカード会社が返済不能債権に備えて貸倒引当金を積むことも現実化しており、後払いそのものが各国経済へのリスクになると考えられています。
因みに日本では個人の自己破産が年間約7万件あるとの資料があり、コロナウイルスでの打撃や増税・物価高騰などによる生活苦がその原因とされています。また高齢者の破産手続きも増えていて、その理由は中年以降での住宅ローン組成により年金生活に入っても住宅ローンを支払っていることや、低年金等による生活苦などが挙げられています。IMF(国際通貨基金)の発表によれば2024年の日本の物価上昇率は2.74%、アメリカは2.95%となっています。賃金上昇率は各国で異なるものの、一般庶民の肌感覚としては低所得層ほど生活が苦しくなってきているように感じます。



