みりん
2025年12月06日
日本の一般家庭では、、甘み・コク・てり・つやをつけたり、臭みを消したり、煮崩れを防止したい時にみりん(味醂)を使うことが多くあります。みりんの発祥には諸説あり、1つは中国から蜜淋(ミイリン)という甘い酒が伝わったという説、もう1つは日本古来からあったアルコールという説です。また日本国内に広まったのは戦国時代とも言われ、その用途は酒類にアルコールが含まれており、腐敗防止に使われていたようです。その後江戸時代になると一般庶民が飲めるお酒として味醂酎(ミリンチュウ)が広まり、手軽なアルコール飲料として楽しまれていたとの説もあります。
また江戸近郊(現在の千葉県)ではもち米・米麹・焼酎を原材料として本みりんが製造されるようになり、近代ではアルコール度数は14度程度となるため酒税法によって様々な製法が厳しく定められました。現在では食料品を取り扱う小売業で、本みりんに加えて類似したみりん風調味料・発酵調味料(みりんタイプ)なども販売されています。その発酵過程ではデンプン質が米麹(酵素)によってブドウ糖やオリゴ糖に分解され、日本酒に似た特有の複雑な味わいが生まれます。海外の方々にはこの本みりんがデザートワインに感じられるようで、最近はカクテルなどにも使用されるようになりました。
因みにデザートワインとは原料となるブドウの糖度を残して甘口に仕上げたワインのことを指し、その甘さ・アルコール度数も様々で世界各地で醸造されています。特に有名なのは貴腐菌が付着したブドウから造られる極甘口のワインで、貴腐ワインと呼ばれています。この貴腐ワインの世界三大産地はフランス(ソーテルヌ)、ドイツ(トロッケンベーレンアウスレーゼ)、ハンガリー(トカイワイン)ですが、貴腐菌とはボトリティス・シネレア菌というカビの一種で非常に稀な環境下で奇跡的に作られるものとされています。編集人もとても好きなのですが、非常に高価なため滅多に口にできませんね。



