オフィス鴻

ワインのコルク栓

2025年12月07日

かつては高級ワインには必ずと言っていいほどコルク製の栓が使われていましたが、最近はスクリュータイプの栓が多く見られるようになりました。その理由として挙げられるのは、天然コルクの供給が需要に追い付かなくなり圧縮コルクが使われるようになったこと、スクリューキャップの品質・技術が格段に高くなったためだとされています。因みに天然コルクはポルトガルなどでコルク樫の樹皮から作られており、弾力性・耐水性に優れている一方でブショネと呼ばれる汚染されたコルクによりボトル内のワインの品質が劣化する現象を引き起こしてしまう欠点も存在しています。

またブショネのワインは、レストランなどであればワインを交換してもらえますし、もし流通に於ける保管方法等の問題であれば酒販店等でも交換・返品に応じてくれるところが多いです。例えばレストランでワインを頼んだ際にするホストテイスティングは、ソムリエや醸造者がTastevin(タストゥヴァン)という小さな銀カップ(ソーサー)を使ったりすることとも通じています。ともにブショネを含む欠陥ワインでないかを確認する作業ですから、恥ずかしがらずにトライしてみるのも良いでしょう。もし問題があれば店側で気付きますので、その場で交換してくれるケースが殆どだと思われます。

編集人はどちらかと言えばコルク栓の方が高級感があって好きですが、コルク=高級ワイン、スクリュー=安価なワインといった過去の常識は変わってきているように感じます。また赤ワイン・白ワインの違いでも熟成度や酸化に差が出てくるとされていますので、余程ソムリエ等に準じるような繊細な味覚と深い造詣がなければ実用的な栓を選択することが現実的だと考えています。ちなみに編集人は家飲み用のワインであれば1本1~5千円程度の物を選んでいて、栓の形状よりも生産地の気候・土壌・水・ブドウの品種などを考慮しながら自分に合ったワインを購入するようにしています。