隙間バイトの新サービス
2025年11月20日
スポット仲介サービス提供会社では、雇用契約が確定していたものの雇用主の都合でキャンセルされるケースが報告されていました。この課題は以前から指摘されており、全体の10%程度の雇用主が24時間以内の採用キャンセルをしているとの調査結果がスポットワーク協会が発表しています。具体例では雇用主側が応募者の年齢や経験などによって急遽キャンセルするケースが報告されていますが、その行為に対する罰則行為等は定められておらず、応募者側にとっては同アプリの利用が制限されることで経済的な不利益が及ぶことを懸念して苦情報告等を躊躇う構造があるとされています。
新たなルールでは、労働契約の成立時期は就業開始直前から求人に応募してマッチングが成立した時点とされました。ただし、雇用主側の不可抗力(天災・必要資格の不保持など)は免責条項に該当するとされ、労災保険給付の対象とするよう厚生労働省が通達を出しています。さらにキャンセル時等の休業手当について、これまでは仲介事業者から雇用主への要請レベルに留まっていました。これが雇用主が仲介事業者に対して原則支払うことに改定され、24時間以内のキャンセルには休業補償が適用されるようになりました。しかし全ての雇用主がルールに従うのかは懸念が残るところです。
もちろんこの新サービス導入はスポット仲介サービス企業にとって顧客離れを招く危険性を孕んでおり、業界全体で一枚岩とは言えない状況とされています。仮に仲介事業者が休業補償を立て替える等となれば、未回収リスクや資金繰りリスクも発生することになります。第一生命経済研究所の資料では、2024年のでスポットワーク市場は1,200億円で延べ労働時間は10,834万時間とされています。実際にスポットワーク中心職種である運搬、接客・給仕、商品販売などでの需要は増加していますが、最低賃金以上の休業手当を支払うことになり今後議論が続くと予測しています。



