オフィス鴻

オリオンビール

2025年12月07日

2019年に国内外ファンドによって事業再編が進められた、沖縄地ビールの象徴ともいえるオリオンビール社が今年9月に東証プライム市場に上場を果たしました。実際に沖縄でのオリオンビールの市場占有度は80%を超えているようですが、かつては沖縄県内での販売には軽減された酒税が適用されていた関係があるとも言われています。またアサヒビールとの業務提携によって販路拡大できたことも、継続的業績成長のドライバーとされています。編集人も沖縄に行ったり沖縄料理店を訪問した際には、ミミガーや海ぶどうを肴にオリオンビールを注文してから泡盛を嗜んだりしています。

一方でコロナ禍から観光需要が回復してきていますが、一方で元々居住に適した土地が少ないことから住宅費高騰が進んでいます。沖縄の気候は1年を通じて気温が温暖で平均気温は23度程度とされており、また海洋性気候によって湿度は高いものの比較的涼しいとされています。その他には台風の通り道にあたることから、大きな被害が出ることも多々あります。そのような影響で住宅も石垣で囲う方式から、屋根を平らにしたコンクリートの家が増えています。また住宅事情は借家比率が全国に比べて高いことや、湿気が多い環境に起因する室内のカビが発生するリスクが高いそうです。

更にジャングリア沖縄は元々オリオンビールが保有していたゴルフ場跡地に建設されており、オリオンビールの観光産業セグメント(系列ホテル事業を含む)の売上比率は概ね20%となっています。なお沖縄タイムズ社の記事によれば、インバウンド客向けの価格設定(1日券は8800円)は国内在住者より26%高い二重価格を採用しているそうです。編集人は同施設を訪問したことはありませんが、一部からは「乗れるアトラクションが少ない割にチケット代が高過ぎる」との声があるとも言われます。地元経済への貢献が見込まれているだけに、今後の動向に注目したいと考えています。