オフィス鴻

ペインポイント

2025年12月21日

ペインポイントとは、企業・ユーザーが対価を支払ってでも解決したいと考える課題を指しています。これまでは特に経営層を中心に大手コンサルティングファーム等に依頼することが殆どでしたが、最近は新たなIT・DX系の新興企業(スタートアップ)での活用が増えています。内閣官房が発表している「令和4年度スタートアップに関する基礎資料集」では、日本企業の開業率は先進諸国の中でも5%程度と半分程度に留まっているものの、起業を望ましい職業選択と考える人の割合が諸外国で70%程度であるのに対して、日本は25%と主要国の中で最も低い水準にあるそうです。

また日本企業の廃業率は3%程度と諸外国に対して低い理由は、起業の動機が「社会的な課題を解決したい、社会の役に立ちたい」が筆頭であり、その他には企業内で能力を発揮できる環境がない、経済的に高額報酬を得たいなどの理由が上位にランキングしています。一方で日本では462万人がフリーランスとして働いていると試算され、スタートアップ予備軍と言える業種も多岐にわたっています。例えば事務作業・デザイン・IT・専門業務・生活関連サービス・現場作業などに裾野が拡がっていますので、独創的なアイディアと優れた技術、そして資金力のある方の活躍機会は多いでしょう。

実際に起業関心層が考える失敗時のリスクでは、借金や個人保証を抱えることと8割弱が回答しています。もちろん信用保証付き融資・民間金融機関から借り入れには経営者の個人保証が必要であり、大きな重荷になっている現状が伺えます。また最近の実証分析によると、旧来技術を用いてきた企業でも新技術と両方を用いた場に持続的に存続可能であることが研究で判明してきました。さらにスタートアップ企業買収することがエグジット戦略(出口戦略)として有効であることが知られてはいるものの、スタートアップへの投資額は諸外国に比べて少なく、M&Aの件数も極めて少ないようですね。