駐車場での車両水没
2026年01月11日
昨年9月に三重県四日市市の中心部にある地下駐車場で、車両250台余りが水没する災害が発生しました。まず前提条件として理解しておくべきことは、同駐車施設では4年前の点検で地下への水流入を防止する設備故障が見つかっていたにもかかわらず、行政等で責任・回収実施のたらい回し状態にあったことが今回の災害に繋がったと言う事実でしょう。日本に於ける諸インフラ老朽化が課題となっていることは紛れもない事実ですが、ここでは本来ならば社会インフラの脆弱性を主テーマにすることはせず、物流(輸送)という観点から編集人の考え方を綴ることにいたします。
まず物流面で最大課題だと考えられるのはこのような地下施設は非常に多く、同時期に東京都内の大型スーパー駐車場に濁流が流れ込み長期間の休業を余儀なくされたことが挙げられます。都心部では駐車場用地を併設していない施設は集客能力が下がるため、小売店の収益性を鑑みると賃貸(償却)価格が低くなります。そして小売店の納品ヤードは地下駐車場に併設されていることが殆どであり、スペースも非常に狭隘です。その上建物を最大限に活用しようとすれば、建築基準法等で高さ制限が定められていたりするため地下部分への導線の斜度(傾斜)を強くする必要が生じます。
編集人は実際に四日市の駐車施設から水没した車両を運び出した企業担当者と話をしましたが、水没後の通路には多量の土砂が溜まっていて作業の大きな障害になっていたそうです。また日本全国からレッカー事業者が集結していたものの、施設の構造上1日に搬出できる車両数は数十台程度だったようです。特に一旦水没してしまった車両には大量のカビ等が発生しており、搬出作業員はコロナ禍並みの防塵マスクを着用することになりました。もちろん水による汚染ですから感染症罹患リスクが非常に高く、懸命に作業してくれた作業員への感謝と健康はきちんと守られるべきでしょうね。



