オフィス鴻

東急田園都市線での事故

2026年01月13日

昨年10月、東京急行電鉄田園都市線で発生した列車同士の衝突事故は、丸1日以上復旧に時間を要して約1,100本が運休し約65万人の乗客が迂回するなどで東京・神奈川に大きな影響を及ぼしました。今から30年前には駅ホーム柵の設置がされておらず度々人身事故が発生していたた同線ですが、最近は事故・遅延ともに減少して事故後の復旧までの時間も短くなっています。しかし国土交通省が今回の事案を事故調査委員会で徹底的に検証したことは、同社が過去に降雪時の衝突事故、架線の火災などを起こした経緯が何らかの影響を与えていた可能性が指摘されています。

東急電鉄側の説明によれば信号システム設定のミスがATC(自動列車制御装置)の誤作動を招いたとしていますが、事故現場の同システムは2015年に設置されてから正常作動していなかったことになります。編集人もシステム構築に何度も携わっていますが、トラブル発生時に発覚する原因で最も多かったのは現場の把握が不十分であることに起因していました。つまり現在のシステムは非常に高度な設計を施されていますが、現場での検証作業がおざなりになってしまうと「想定外」と言った言葉で責任所在と解決策が不十分になってしまう危険性を孕んでいると考えています。

今回の事故で国土交通省が非常に厳しい態度で臨んでいた背景には、同社の経営管理(安全管理)体制に不備があると認識していたのだと考えています。田園都市線はかつては首都圏で最も乗車率が高く、ピーク時には200%を超えていました。近年は若干緩和傾向にあるものの、それでも150%を超えるとされています。もう1つは他社路線との乗り入れが増加したことで、システム自体も複雑になっていた可能性が指摘されています。幸い夜間の時間帯であったことで負傷者はでていませんでしたが、もし通勤ピーク時であったならばと考えるだけでも恐ろしく感じますね。