オフィス鴻

伝統と観光

2026年01月15日

最近TV放送で日本の観光地に多くの外国人が訪問している様子を取材して、功罪両面からの検証を行っっていた番組がありました。その中の1店に日本ではよく知られた地方の老舗和菓子店があり、販売は好調なものの文化や習慣に対する違いに戸惑っていることが伝えられていました。日本の文化として多くの仕事の中に職人気質が宿っていることは日本人であれば容易に想像できますが、訪日客にとっては一種のパフォーマンスと映っているようだと感じます。また見物客に日本式のマナーを守ってほしいと告げたところ、批判的な口コミが多く掲載されるようになったとも言います。

編集人は某有名和菓子店の茶菓を購入しており、理由は本物を求める嗜好です。特に和菓子の世界では見た目が重視される傾向があり、その前提として安心できる材料を用いて手間暇を惜しまない工程があることを日本人でも知らない方が増えています。実際に国産の高品質原材料を継続的に入手することは、生産者の高齢化とともに収穫量の減少などの理由で年々難しくなっているそうです。また殆どの関係者は直接現地まで足を運び、自分の眼や五感で納得したものを厳選して使用しています。そのため輸送費・保管費等の物流費を含めて年々価格が上昇していることにも頷けるのです。

編集人は訪日客向けビジネスが悪いとは全く考えていませんが、そもそも観光とは現地の習慣・文化を理解した上で新たな人生観を養うことが大切だと考えています。一部には円安等を背景にして、本来の日本文化とは異なるビジネス(例えば、関西の黒門市場・錦市場での食べ歩き等)が行われることも多くなってきました。元々両市場とも市民生活に於ける台所として存在していましたが、最近は海外資本によって日本人からすれば考えられないような高値で販売されています。逆説的には日本人が海外で現地マナーに馴染めていないことも想像できますので、非常に難解なことだと感じています。