オフィス鴻

経歴詐称と内定取り消し

2026年02月05日

2024年に職務経歴詐称を理由に転職内定を取り消されたことに対する訴訟で、東京地方検察庁がコンサルティング日本法人企業に対して解雇に関する勝訴判決を下しています。その後最高裁判所にて同判決が確定したことで、履歴書に記載された職務経歴に虚偽があり、さらに所属していた企業にて弁護士を介したトラブルが発生していたことも判明しています。採用予定だった企業側は重大な経歴詐称があったとして内定を取り消したものの、1979年の最高裁判例によって当時新卒大学生への内定取り消しが違法とされたことを根拠として法廷で争われていたものです。

もともと内定とは始期付き解約留保付き雇用契約の締結がされることを意味しており、内定取り消しが解約権行使に当たるとされています。そのため今回のケースでも会社側(採用者側)が内定者としての適格性を判断できなかった責任を認めていたものの、結果的には経歴詐称等で資質・能力等を企業側が誤認することとなったとして解雇の合法性を認めたことになりました。編集人も採用管掌役員をしていた時期がありましたが、履歴書と面接だけでは経歴詐称を見抜くことは殆ど懇談だと認識していした。そのため違和感があった場合には、様々な手法で対応していたことは事実です。

今回の事例は採用以前に問題が発覚したことで早期解決(といっても2年以上の訴訟でした)できたのですが、実際に就職後に発覚したとすれば懲戒解雇等の処分を受けることは十分に考えられます。今回の事案は過去の最高裁判例の解釈を一部変更したケースとなり、応募者側がこれまでのように逃げ続ける行為に対して一定の歯止めをかける効果に繋がると思われます。しかしこの問題の根底にあるのは、日本での長期終身雇用制から転職によるキャリア形成へと就業環境が変化していることにも関係しているものと思われます。法律の運用・解釈も時代と流れで変化していくのでしょうね。