オフィス鴻

運送事業と中小事業等協同組合

2023年03月31日

中小企業等協同組合は、中小企業の経済的地位向上のための組織化・相互扶助の精神で協同事業を行い、中小企業の経営の合理化や取引条件の改善など地域や業界のための発信を図ること等を目的としています。主に、生産、加工、購買、受注、保証、研究開発等を共同事業として行う事業、組合員用福利厚生施設の設置、組合員への事業資金の貸付、組合員の事業への債務保証、組合員の経済的地位改善のための団体協約の締結等の事業を行います。

また、事業協同組合の設立要件は、1.4人以上の設立同意者、2.設立の手順、定款、事業計画の適正性、3.事業目的にふさわしい組織(地区、組合員資格、設立同意者数、役員構成、経済的環境などを総合的に審査して判断)の他に、事業協同組合には株式会社などとは異なる性格・運営上の特徴があります。運送事業で言えば、事業資金の貸し付け、燃料・車両備品等の協同購入、剰余金の配当(利用分量に応じた上限あり)などが該当するでしょう。現実的には、各都道府県のトラック協会(トラ協)への加入で、安全対策事業、環境対策事業、経営改善事業、ETCカード割引適用などのメリットなどとは別の支援も受けられます。

実際には、経営上深い関係にある中小企業が集まって設立するケースが多く、収益を最大化するための運送事業に於ける適正規模(300~500輌程度)と事業展開(ドミナント化など)を基にした公平な設立検討が求められ、リーダーシップを発揮できる企業経営者が関わることが最大の成功要因になるでしょう。