医療カテゴリーミックス
2023年04月30日
大学病院等の基幹病院では、臓器別診療体制が確立され専門的診療を受けることができます。一方、医療過疎地の診療所や地方病院では、人的資源の制約(医師・看護師不足)等から「プライマリーケアドクター」が総合内科医の役割を担っています。東日本大震災と放射能汚染で総合内科医の必要性が再認識され、大学病院等でも総合診療科設置と医師育成が進んでおり、日本医師会等では「総合医とは従来の一般内科を中核とし、専門性にとらわれない幅広い複数領域の診療に取り組む基本的レベルの診療ができる医師」と定義して、適切な診療科の振り分けや一時処置、入院治療判断など、患者への最適医療提供に繋げる重要な役割を担うとしています。
また、表題の「医療カテゴリーミックス」とは編集人の造語で、製造・小売業などが活用するマーティングミックス(コントロール可能な施策の組み合わせ)を医療機関の複数カテゴリー(専門診療科)が連携して取り入れることを指します。大学病院の入院患者は、主治医・担当医の判断で合併症や複数疾患を入院中に複数の専門診療科で診てもらえますが、重複検査・同種投薬などの身体的・精神的負担の軽減だけでなく、重複医療費の削減にも繋がると思われます。
前述の医療DXは、患者の症状から専門外分野の医療情報などをAI技術を使い総合的に判断することで、専門医の負担軽減だけでなく電子カルテが普及している医療機関ではノーコード・ローコードデータの活用も視野に入ります。また、緊急時にはお薬手帳が診察の大きな助けになるようです。将来的にスマホへ症状等を入力することで、まずは救急安心センター事業(#7119)の判断を求めることからスタートできれば、医療機関や救急隊員の疲弊・崩壊を防ぐ有効なツールとなる可能性を秘めていると考えています。