オフィス鴻

SDG’s(14)海の豊かさ

2024年01月22日

日本は豊かな海に囲まれた島国で、時には東日本大震災の大津波などの甚大な被害をもたらすこともありますが、長い時を経て生活に根付い海との共生文化が醸成されてきました。その一方で、河川から生活・工業排水が海に流れ込み、富栄養化(プランクトンなどの餌となるリンや窒素など)による赤潮の発生や不法投棄(漁具、釣り糸、プラスチックなど)、船舶事故(油の流出など)による海洋汚染も深刻化しています。最近は、海洋生物がクラゲとビニールを間違えて飲み込んで死に至るケースや、マイクロプラスチック(5㎜以下の微細なもの)の半永久的に自然分解されない性質からオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の調査(2017年に)では、推定1,400万トン以上が海底に堆積しているとされています。

特に日本近海では、日本国内でのプラスチック消費量(世界で2番目に多い)や、黒潮の影響で中国南部・東南アジア諸国から廃棄プラスチックごみが流れ込んでおり、世界の海に比べて20倍以上も浮遊マイクロプラスチックがあると考えられており、新たな問題を引き起こす危険性が指摘されています。その他にも、海洋酸性化(大気中に放出された二酸化炭素を海が吸収)による生態系への影響(サンゴの死滅、磯焼けなど)を及ぼすともいわれています。

また、健康志向や加工・保存・輸送技術の発達により肉より魚介類の消費が増え、国際社会による資源管理下でも漁獲量の減少(違法操業や乱獲)、生息域の北上(北半球)を招いているとの指摘もあります。ますます海洋資源の適切管理と汚染防止が重要な課題になっていると感じます。