オフィス鴻

与えられた役に全力を尽くす

2023年04月13日

某若手俳優さんが仕事が端役しか廻ってこなかった頃から「自分に与えていただいた役になりきることを一番大切にしている」と話されていました。20歳台前半の役者さんですが、オーディションで主役級の役を頂く機会も徐々に増えてきたそうです。また、大相撲で大関を務めた小錦関(六代目小錦八十吉)は、ハワイから風習が異なる日本へ来日後、部屋を代表する年寄(師匠)と寝食を共にするなど多くのしきたりがある相撲部屋生活では、十両(関取)に昇進するまで、自分から進んで使い古しの割り箸や歯ブラシで、汚れ1つ残さないよう徹底的にトイレ掃除をされたそうです。俳優さんも小錦関も「自分がやりたいこと」より、生活・仕事環境に適応すること、今自分で出来ることを精一杯しながら、その後の人生を切り開いていかれたのでしょう。

さて、新年度に入り入社式や社長訓示などが各メディアで報道されていますが、最近はステップアップ(転職)目的の新入社員も多いようです。「石の上にも3年(Perseverance pays dividends)」という日本の慣用句に似た言葉で「辛抱(perseverance)が強ければ、配当(dividends)を貰える。」があります。たとえ、自分の希望しない部署への配属(配属ガチャと言うそうです)であっても、受け取り方次第ではチャンスにもなります。編集人は「やり方や仕事の段取りを少し変える」ことで、他同僚に比べてかなりのスピードで仕事の範囲が増えました。すると、上長だけでなく他部署や取引先の方から仕事の依頼や相談が来るようになり、様々なルール・専門外の知識習得や経験ができ、その後想定していない人事異動へと結び付きました。

夢を叶えたい気持ちはとても大切ですが、編集人のようなケースも実際にあります。「〇〇ガチャ」だからと他責にして不満をため込むより、次のジャンプの糧になるよう周囲への感謝を忘れずに生き生きと働く姿は誰かが見ている訳で、チャンスが訪れる日もそう遠い先ではないのでしょうか。