第一種貨物利用運送事業
2023年03月03日
貨物自動車利用運送事業とは、荷主(仕事)と実運送業者(「中抜き」の水屋も含む)を仲介して、中間マージン(手数料)を収受するビジネスです。利用運送事業は元請業者の繁閑差や需給の調整弁を担う側面もありますが、良い仕事(楽で利益が上がる運送業務)は元受け事業者が行い、低利益、赤字、きつい作業の仕事を知り合いの中小事業者やマッチング市場に出して運送委受託契約(3条書面等)するのが一般的です。
編集人は、某財閥系物流事業者で5年間、この取扱業務を含む配車業務に従事した時期がありました。当時は大卒後に物流事業会社に就職する人は稀で、10年、20年後に人材不足やIT進歩で大きな変革が起こりそうな事業(実際は30年経っても、大きく変わっていない)の可能性に賭けてみようと、最初の1年間は大型(現在の25t車)に乗務して現場経験を積み、荷主と運送会社それぞれの立場から課題と相互メリットについて考えていました。実際、1人で1日100台超の配車(自社50台、残りは地場と長距離便の取扱業務)で自分の給料の10倍以上の利益を上げていました。運転手が全員帰宅した20時過ぎから、良好な関係にある3社の配車担当者同士で複数の固定電話を使い、2日先の配車(車両番号と乗務員名の確定が失敗しないコツ)を行い、翌日は朝5時から仕事をしていました。
その経験から、翌日の仕事は前日に完了させる習慣が身に付き、さらに複数の大手メーカー等から運送事業に関連する相談(特に料金体系)が徐々に増え、その後の仕事の進め方や人脈造りに大いに役立ちました。また、現在構想している新たな企画も、その頃の疑問が、技術の進歩・IT化や新技術により解決できる段階に入りつつあり、いずれは中間流通事業を軸とした労働集約型産業におけるプラットフォームビジネス化に繋げたいと考えています。