運送事業での女性の活躍機会
2023年08月31日
大阪の収集運搬業者では、子育てと仕事を両立できるため多くの女性ドライバーが働いているそうです。実際に現場を見ていないのでコメントはできませんが、編集人の経験上、仕事を持つ親(編集人の家庭は共働きでした)にとって一番困るのは、急に子供(幼児)が熱を出すことがあり保育園・幼稚園などでは感染予防の観点から預かってもらえないことでした。その企業では、小学生以上の子供を育てている方も多く働いていて、幼児を抱える母親ドライバーを支える仕組み(恐らく、代わりに出勤してくれる方がいる)があるようです。また、比較的仕事の時間帯(時間指定が少ない)に余裕があって、上手く廻せているのかも知れませんね。
ちなみに、日本の女性職業ドライバー比率は2021年調査では3.6%に留まっており、全日本トラック協会の「トラガール」構想もいつの間にか影を潜めとん挫した印象です。また、特別な学位を必要としない職種の中で運転職は一般的な事務職や販売職より高給といわれますが、女性が働きやすい環境インフラ(休憩所、ロッカー室、トイレ、パウダールーム、業務内容など)の整備が遅れていることに加えて、短時間の日中時間帯勤務が少ないこと、土日祝日が休みとは限らないこと、交代要員の確保・安全パトロール・ハラスメント防止策など、男性の雇用に比べて配慮すべき制約条件が多いようにも感じます。
もちろん、男性ドライバーにも同じことが言える面があり、長く働いてもらえるコツは不文律(その集団の中で,暗黙のうちに守られている約束ごと)を作らず、勤務評価が給料UPに繋がるような収益体質と公平な制度を作ること、および管理者(事務職や配車担当でも良い)に女性を入れて、女性特有の視点を含めた意見・要望などを吸い上げる仕掛けを作ることにあると思います。