オフィス鴻

COFFEE TIME(ふるさと納税の経費)

2024年09月21日

これまで何度もふるさと納税の課題について私見を述べてきましたが、今年6月総務省は「寄付に伴って金銭その他の経済的利益を提供する者」を通じた自治体の寄付募集を来年10月から禁止するよう告示改正しました。具体的には、サイト間のポイント付与競争の過熱、Amazonの進出などがその背景にあり、ポイントの二重付与については禁止となりました。現在では30を超えるサイトでふるさと納税仲介を行っていますが、年間1兆円にも上る寄付額のうち約10%に相当する1,000億円が地方自治体への交付金とならずに仲介業者手数料として支払われています。

なぜ総務省がサイトによる税金の流出を予測できず、後手後手の対応に廻ったのかは知る由もありませんが、安易に仲介サイトに頼った地方自治体にも責任の一端はあるでしょう。ただ、心配なのは中央官庁の人材不足と施策立案能力の低下が始まっていること、国家公務員職(旧上級職)への希望者が減少しているという現実です。同様に地方自治体の行政能力自体も返礼品に頼るようでは、地方再生も机上の空論となりかねず、税金の無駄遣いは国会議員歳費だけではなさそうですね。