オフィス鴻

COFFEE TIME(外資系コンサル)

2024年05月01日

アメリカのFINANCIAL TIMESの記事によれば、一流と呼ばれるコンサルティング会社がコロナ禍が徐々に鎮静化しているなかで、これまで売り手市場であった人材争奪戦から一部のコンサル分野での需要減少と全般的な料金下落傾向に伴い、初任給引上げ凍結の動きが顕著になっているそうです。マッキンゼーやボストンなどの大手コンサル企業ではビジネススクール(MBA)の新卒者の新入社員初任給は約2,900万円(学士で1,700万円)とも言われますが、現実問題としてオフィスのあるニューヨーク等の家賃・物価は高騰しています。もちろん、円安による比較の問題はあるにせよワンルームで40~50万円、朝食や昼食が3~5千円だそうですから、社会保険制度への加入やレイオフや退職パッケージ(3~12ヶ月分程度の特別退職金)のリスクを考えれば相応の対価と言えるかも知れません。

また、アメリカの大学生の約7割は連邦政府の学資ローンFederal Loan(平均の借入額560万円)を利用したり、成績優秀者に対する各種奨学金(授与型、授業料全額免除Scholarshipなど)を得ていると言われており、バイデン大統領が数千万人のアメリカ国民を対象に多額の学生ローン返済を免除する計画を発表したことは記憶に新しいところです。例えばハーバード大学の年間学費は800万円以上だそうで、4年通えば3,200万円+生活費が必要で返済のために軍隊に入り支払免除申請する方もいるそうですから、余程優秀か富裕層でない限りは数十年間はローンを返済し続けていくことになります。日本でも人気のコンサルティング業界は多少高給ですが既にDXも大手の参入で過当競争に入っており、自身の成長や生涯収入が保証されている訳ではありません。

日本でも返済のためにバイト漬けで勉学が疎かになるなどの大学生奨学金問題が取り上げられています。奨学金とは言え借金であることに何ら変わりはないことを肝に銘じておく必要があるのではないでしょうか。