COFFEE TIME(転院と医療費)
2025年10月16日
接客で嫌な思いをすることは日常生活でも往々にしてあります。例えば比較的落ち着いて食事ができる飲食店で子供が騒いでいるのに親が全く気に留めていない、電車の中で大声で会話したり大音量で音楽等を聴いている、病院でも何となく居心地が悪かったり上から目線の医師・スタッフがいるなどです。特に病院は具合が悪いがために訪れるのですが、以前は1時間待ちの3分診療などと言われた時期もありました。しかし最近は診療報酬低下や口コミ低評価などが影響して、医療機関が倒産・閉鎖になることも増えています。つまり医療機関とてある水準のホスピタリティが必要な時代だとも言えます。
また地域診療を担い高齢者医療を支えてきた中規模医療機関が、医療スタッフ不足や経営効率化のため病床を削減し始めています。つまり急性期医療から回復期医療へと転院する先が減少しているのです。その結果、これまで要介護認定で長期入院可能な医療機関が自宅で療養することを前提として運営されるようになったと言えます。そして長期入院を要する急性期以外の患者が、結果的に転院する先が見つからないことになりかねないのが現状でしょう。
この背景には日本の平均入院日数が16日程度でありOECD加盟国(概ね10日程度)の中でも長いため、厚生労働省の医療費削減政策が影響していると考えるのが自然でしょう。