医療従事者ストライキ
2025年07月10日
昨年から大企業の若手社員を中心に5%を超える賃上げが続いています。見方によっては中高年齢層に恩恵は少ないようにも思えますが、少し穿った見方をすれば今後税金や社会保険料を若手が背負っていくような構図へと進んでいるようにも見えてしまいます。正直なところ、一番お金(教育費・住宅ローン・介護など)を必要としている中堅層(年収600~1,000万円と定義しました)への恩恵は少なく、結果的に現在の若手層が将来の社会基盤を支えることに重点が置かれているような気がしてなりません。編集人も57歳で難病治療のため止む無く退職しましたが、医療費・年金等で若い世代の負担が増えることには一種の申し訳なさを感じているところです。
その様な観点から俯瞰すると、国立病院の看護師等(医療従事者)が時限ストライキ(1時間)を行ったことは、これまでに述べてきた矛盾以外にも労働対価という面でいわゆる「働き甲斐搾取」が行われているように思われます。全日本国立医療労働組合では月額5万円、時給者は280円の賃上げを申し入れたそうですが、結果がゼロ回答(業績悪化が原因)であったことは医療関係者の問題というより経営側の無力さ・政策の方向性が大きく関わっているように思われます。実際に入院していると感じるのですが、外来診療・入院担当では大きく労働環境が異なっています。当然診療科にもよりますが、報酬のあり方を再検討する時期にあると考えています。
編集人の主治医がいる大学病院では、昨年から看護師のローテーションと他科への応援方式が始まっています。ある診療科は楽である診療科はしんどいと言った不満を解消する意味もあるとは思いますが、それ以上に様々な臨床経験が積めることは社会貢献意識が強い看護師ならではの職業性に起因するのでしょう。患者側ができることは殆どありませんが、編集人は点滴の管が血管が大きく傷ついているため何度もトライ(最大10回まではOK)することが多々あります。しかし見方によっては看護師の経験になると考えていることも事実です。