オフィス鴻

Coffee Time(Michelin Guide)

2023年08月01日

フランスのタイヤメーカーであるミシュラン社が毎年発行するミシュランガイドは、グルメ・宿泊施設だけでなく、グリーンガイドとして観光スポットなどのガイドブックも作成しています。元々は自動車社会に於けるタイヤやサービス&ソリューションで安心・安全・快適な移動を提供することが目的でしたが、日本では特にグルメ版が人気で、☆~☆☆☆やビブグルマンのお店に行列ができたり数年先まで予約がとれないこともあるようです。

ただ、最近ではあまりにも予約が取れないため、急遽席に空きができた時や一定数の席をオークション方式で販売したり、一部サイトで予約可能な飲食店ビジネスも登場してきました。通常1人3~5万円の料金の飲食店に10万円以上の手数料を払う方がいることには驚きましたが、常連客に迷惑を掛けたくないとの理由で、一見客が殺到する取材や掲載をお断りする飲食店も増えてきました。

物流業界でも同じような評価制度(Gマーク事業者認定、ホワイト認証制度など)がありますが、本来は荷主の重要なパートナーとして定期的に評価(見せかけの物流費削減コンペとは違います)して改善していく視点が欠けているようです。本コラムでも需給に見合ったダイナミックプライシング方式や、共有すべき課題・目標(品質・サービスの向上、改善提案など)にも触れていますが、物流費を単なるコストとして認識している企業も多く見受けられます。コンサルティング業界でも料金を支払う得意先は殆どが荷主側であり、今後の物流業界にとってはドライバー不足問題以上に、営業・品質・管理ができる人材、そしてデータを基に交渉できる人材が圧倒的に不足している事実から目を背けることなく、他者の協力を得てでも真摯に向き合うことが重要でしょう。