オフィス鴻

温暖化と森林火災

2023年11月21日

この数年、世界各地で大規模な森林火災(forest Fire)や熱波(heat wave)による自然界への影響や、人的被害の報告が増加しているように思います。編集人の幼少期は、まだ一般家庭へのエアコン普及率も低く、打ち水や夕方になると縁側でたらいに水を入れて涼んだりと、現代のような酷暑とは異なりそれなりに過ごすことができていた記憶があります。また、研究者からは都市部でのヒートアイランド現象などさまざまな研究や警告がなされていますが、やはり地球温暖化により気温上昇と乾燥化が進んでいることは確かなようです。

2019年夏、アマゾンの熱帯林、大湿地帯、草原地帯で大規模火災が発生し、アマゾンでの開発規制緩和、焼き畑などがの原因だとも言われています。同年にはオーストラリアでも1千万ha以上の森林火災(自然現象)が長期間続き、自然界への影響(全身やけどを負ったコアラの安楽死など)が報告されています。また、2019~2020年に発生したアメリカ・カリフォルニア州の森林火災では、北部地域の天然ガス・電力供給インフラが原因とも言われています。また、たばこの吸い殻やホームレスの野営地、花火が原因となる人災も一定数あるそうです。マウイ島ではTV等で燃え盛る森林の住宅地から避難する住民のドライブレコーダー映像が流され、避難警報が出されず被害が拡大したことは、まだ記憶に新しいところですね。

森林火災自体は自然現象(自然発火)ですが、フェーン現象(高温で乾燥した風)、ラニーニャ・エルニーニョ・ダイポールモード現象(海面水温の上昇)などにより、大西洋で強力なハリケーンが発生したり、オーストラリアや南米で洪水が起きたり、日本でも台風や線状降水帯、前線の影響に依る大雨や雷・竜巻(突風)による被害も増えています。一方で、根本的な解決方法へのアプローチより現状への対処(特に経済面)がこれらの自然災害に優先される傾向にあり、もしかしたら人類が既に取り返しのつかないレベルまで自然環境を変えてしまった可能性も否めないように感じます。