オフィス鴻

ベーリング海カニ漁

2025年01月09日

世界有数のカニ(ズワイガニやタラバガニ)・サケ・スケトウダラなどの好漁場として有名なベーリング海ですが、2021年頃から大幅な漁獲量減少に直面していると言います。海外のTV番組であるディスカバリーチャンネルが長期間漁船に同乗して作成したドキュメンタリー番組を視聴したことがありますが、自然環境が非常に厳しく、常に暴風雨や高波(巨大波)に晒されながら漁をする光景は、時には死者が出るほど危険だと言われています。その一方で、1回の出航で得られる賃金は解禁期間(40日)で乗組員1人当たり2,500~3,000万円とも言われており、一攫千金を狙える仕事ではありますが常に死とも隣り合わせの危険な職業とも言えるでしょう。

日本でも昭和時代には借金を返済したいならば遠洋マグロ漁船にのれば2~3年で完済できると言われていました。一旦漁に出てしまえば数ヶ月は船内暮らしを余儀なくされる訳で、病気やけがをしても陸地に戻るまでは働かざるを得ない環境が続くのです。先程のベーリング海のカニ漁は2022~2023年には資源保護を目的に禁漁となり、同じようにマグロも世界的な枠組みの中で割り当てられた分だけが収入となるため、海洋熱波と呼ばれる海水温上昇(亜寒帯化等)が生態系に大きな影響を与えていると言う説が有力です。こんなところにも地球温暖化の影響があることに驚くとともに、海洋資源管理の重要性が叫ばれる所以ですね。

少し話題は逸れますが、日頃使い慣れていたスーパー等でのビニール袋が有料化されて以降、日本沿岸での海洋プラスチックチップが80%程度まで減少しているとの調査結果が環境省等の調査で明らかになりました。海洋生物が浮遊するレジ袋を誤って餌(クラゲ)と勘違いして飲み込んでしまい、体内で消化されずに死に至っているケースが少しずつ減少しているそうです。レジ袋製造業者にとっては水溶性・分解性の高い製品へと切り替えているようですが、日頃のちょっとした行動でも環境への負荷を減らした好例だと思います。