冷蔵食品の日配方式
2025年01月03日
日本で行われている食品配送にはいくつかのパターンがあります。生鮮食品、加工食品、チルド・コールド食品、肉類、総菜、アイス、菓子類、そして野菜・牛乳・豆腐・パン類などです。原則は、小売業の配送センターから1日1~2回(コンビニは1日2回に減少)定められた時間±15分に店舗へと中型トラック(主に3t、4t車)で届けられています。その理由は、冷蔵食品には賞味期限が短いものも多く、売れ残れば店内調理で弁当・惣菜に加工するためです。一般貨物トラックと違い、冷蔵・冷凍設備を積載した保冷タイプ(荷台パネルが厚くトラックへの積載量は少なくなります)は架装費がかかる以外にも、商品を積んである時間は軽油や蓄電器を使って走行していなくてもエアコンを廻す必要があり、運行コストは2倍ほどかかります。
最近は明治・日ハム等の冷蔵加工食品メーカーが連携して、納品先の小売業に対して共同配送(混載)と配送頻度の減少を求めていますが、大きく2つの障害があると編集人は考えています。1つは、小売店舗でのバックヤードで保管場所(冷凍・冷蔵庫)を増設する必要があることです。店舗の最大の役割は、いかに商品の回転数を上げ、売り場面積当たりの月商を最大化することにあります。そのため、欠品による販売機会ロスは小売業経営にとって大きな痛手になるからです。そのため、配送頻度の減少は小売業のオペレーション効率を下げることになり、小売業の指定する物流センターを経由することになれば、そこでの在庫保管場所を確保する必要があります。仮に、メーカー工場から混載するにしても工場・倉庫立地が近隣にあるとは限りません。
2つ目は、賞味期限が10日の牛乳と8日の牛乳が陳列されていたら、どちらを購入するのかということです。多くの小売店舗で買い物がてら他の客の購買行動を観察していると、わざわざ陳列棚の奥から一番賞味期限の長いものを探す消費者が意外と多いことです。編集人は一番手前の商品を購入しますが、期限内に消費できれば十分だと思いますね。