オフィス鴻

山形のサクランボ

2024年09月01日

山形県のサクランボ農家の多くが、今年の天候不順により廃業を検討するほどの不作になっていると言います。編集人宅では30年以上、毎年お世話になった方への御遣い物として東根市にある駒林能桜宇園さんのサクランボをお送りしています。特に今年のサクランボはこれまでにないほどの素晴らしい出来で、大きさ、甘さ、そして程よい酸味のバランスが絶妙な逸品を届けてくださいました。6月14日から収穫・発送が行われていたようですが、例年と違い収穫期は約1週間(通常は2週間程)と短く、他の生産者の中には猛暑で水分が蒸発して干しブドウ(貴腐ワイン用に似ています)のようになったり、実割れをおこしたり、双子状の結実が増えたりと、大きな損害がでているとも報じられています。

昨年あたりまではサクランボの大量盗難が度々報じられていましたが、昨今の物価高の影響もあり価格は数年前の2倍近くまで上昇していて、そこに収穫量の減少が重なったことで温暖化の影響や農家の高齢化などで、今後いつまで発送して頂けるのか心配するほどです。また、山形県のふるさと納税返礼品用のサクランボ収穫量が1~2割不足しているそうで、来年への持ち越しや他農産物(主に果物)への代替等も行われているそうです。また、日本には四季折々の食材が食卓を賑わせてきましたが、熊やシカ、いのしし等による農産物への被害も住宅地近郊で増えてきました。

その他、コメの価格が毎月上昇傾向にあり、そのため今年は高温に強い品種に作替えした農家も多いそうで新米がやっと出回り始めました。ただし、野菜は一気に気温が高くなったことで大型サイズが増え、美味しさも通常品以上のものが豊作だと言われています。一方で日本の農業試験場での品種改良には10年単位の研究(中には突然変異もあるそうです)が必要で、最近では比較的高価格で取引されるシャインマスカット、いちご、紅まどんな(柑橘)などの作付け面積が増えているそうですから、時期の果物を楽しめるでしょう。