オフィス鴻

SDG’s(4)教育

2023年06月30日

 令和5年度東京大学入学式での馬渕俊介氏の祝辞(4月15日要約版)に、「夢」という言葉が繰り返しでてきます。また、「優しの恩人」もいつも「夢」という言葉を入社式で述べられていました。ここで「夢」と「質の高い教育」との関連について考えてみたいと思います。

世界の教育現場では金銭面・差別・インフラ未整備等から学校へ通えない子供が多いなど、課題の多い国・地域に比べて、日本では義務教育(小学校・中学校の卒業、高校も実質的に含まれつつある)を維持できています。一方、大学進学に際しては給付型・貸与型奨学金、または金融機関の教育ローンを活用するケースも増加しているようで、就職後に返済に窮するなどの問題も報道されています(アメリカでは、一定条件下で返済を免除する制度もあるようです)。

また、SDGsでは、子供が「仕事に就く」ための教育に限らず、生涯学習機会の提供なども含めて、「包摂的かつ公平で質の高い教育を提供すること」を大きな目標としています。まずは2030年までに全ての子供が小学校・中学校を卒業できること(全世界では計算・読み書きができない若者・大人が約6億人いるそうです)、技術的・職業的スキルを備えた若者・成人の割合を大幅に増加させる活動に繋がっています。

なお、宗教・ジェンダー・地域・紛争・障害、人権・平和・文化・行政などの要因が複雑に絡まり合っている場合は、一律的な制度だけでは解決できないでしょう。また日本を含む世界の企業では、それぞれの特徴を活かした取り組みを行っています。日本で盛んに議論されている社会人のリスキリングも、職業的スキルと雇用の変化への対策として鑑みれば、イギリスの技能認定(職業資格制度;NVQ)なども参考になるかも知れませんね。